超高密度人口区域(α)

つよくなりたいぼくごさい

「まどろみしきにゃん」【モバマス創作(一ノ瀬志希)】

眠たい志希ちゃんの話

 

しき、だけに490文字縛りの掌編です。多分ぴったり490文字です。

 

 

f:id:km2schedule:20170927222435j:image

 

 

微睡む視界の中で、キミの姿を認識する。

 

ふわりふわりとあたりに漂うジャスミンの香りが、キミを蝕んでいる
爽やかに、潔白に咲く白いジャスミン花言葉は「好色」
女好きなんて、アイドルのプロデューサーならあたりまえだよね。

なら、もっとその本能を剥き出してみようよ。

 

微睡むあたしを貴方ならどうする?

 

声をかけて、身体を揺らして?それだけじゃ、おもしろくないよね。
もっと触れて、もっと掴んで、あたしの知らないキミを見せてよ。

あたしを見つけた、キミが見たいから。

つまんない、なんて言わせないで、もっと深く、手繰り寄せて。

キミの香りを、もっと深く、もっと強く、この身体に刻みたいんだ。
吸い込んで、堪能したいんだ、キミだって、そうだよね?


あるいは、あたしが手を伸ばせばいいのかな。

伸ばしたその手を、キミが引き寄せて、抱き寄せてくれるといいな。

静まり返ったラボの中は、もう何の音もしなくて、ただひたすらに強い香りだけが漂っていて

あとはもう、音を加えるのはキミなんだ。

 

沈んでいく意識の中で、手を伸ばす音が、布の擦れる音が聞こえた。
暖かいシーツの感触に包まれて。意識が消える。

 

そうきたかー、まあ、いいけどね。